2013年2月7日木曜日

重さ

 久しぶりに筆を買ってしまった。だって500円なんだもの。
安けりゃ良いってもんでもないが、高い筆を使ったところで、高い墨も紙も無いんだから、ねえ。
 文房四宝って、高いは高いで一揃い、そろってナンボのものだろうと思うのだ。

 正直者は馬鹿を見るぞ、というような内容の小説を途中まで読んでいて、
そろそろ辞めようかなこれぇ、となっている。
 
 昔から嘘ばかりついてきたものだが、それでも正直者足ろうとして、
どんどんぐちゃぐちゃになっているような男が共感してしまう話なのだから、
この作者だって、一面雪景色とでも言わんばかりの正直を保っているわけではあるまい。
 まだらに積もった雪を掻き分ければ、
鼻を摘まずには居られないような汚物が顔を出すに違いないし、
そんなことをされた本人は顔を真っ赤にして俯いてしまうだろう。
 趣味じゃなけりゃ、誰だって、自分の排泄の痕跡を見られて嬉しいはずがない。
そんなもの掘り出しちまった俺だって、嫌だよ、ウンコは、見るのも踏むのもごめんだわ。

 買い物から帰宅して、どっと腰を下ろして持ち上げた携帯が思いのほか重かった。
 ふと、まるで重さの無い一枚の紙を持ち運ぶのにも、
最低限必要な力だけを用いれば、もっと楽なんだろうなあと思った。

 結局、それぞれの「身の丈」に合わせることが大事なんだろう。

 文房四宝だって、それぞれ同じくらいの格の高さで合わせると、ちょうど上手く行く。
それに筆の扱いは、筆からの反発力とちょうど同じくらいの力で手を下ろしてやるのが肝要なのだった。
 
 正直者は馬鹿を見るっつうよりは、
多分自分の身の丈に合わない純潔とか純白とかを気取るから上手くいかないねんやろなあ。
ところで三年住んでるけど関西弁ってこんな感じで合ってましたっけやろか?

 そういえば、人がその服装でセンスを測ってると知ってびっくらこいた。

 ということは、その、つまり外に出るって不特定多数の批評の中に身を投じるってことでしょう?
 いくら貝のように押し黙っていたところで、
そこに居るってだけで攻撃なり防御なりの対象になるってことでしょう?

 怖すぎるわ。
もう誰も信用できねえ。乱戦状態だ。銃弾が飛び交っている。
 目の前に撃たれた女があって、あ、でもなんかピンピンしていましたね。
 
 平気なんだろう。
ああいう感じの女になりたいと思ったけど俺は男だったぜ。

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